滴や STYLE “拾玖･秋ノ壱”

無骨な麻の したたり合わせ

毎回のコレクションには、希少な生地が使われています。 この麻の袴も、一見すると、ただの濃紺の無地に見えることでしょう。 しかし、この袴の麻も、裏に薄い木綿の芯を接結することで、涼しい反面 めくれや反り返りが起こりやすい…という麻の特性に対応し、荒々しいシワ感だけを巧みに残した技巧派の素材なのです。
接結とは、上下に重ねた別の織組織を互いに分離しないように、間隔を置いて 上下の経・緯を結合させた重ね織。 よって 力強いシワ感が維持されているのです。
隠れた技と地味な色なので、一般的には伝わりづらいだろうと考えていましたが、これを目当てにお越しいただいた方々のお陰様で、残すところ１点のみとなりました。 また、細番手の麻デニムを仕立てた ブルーの小袖は、いち早く完売してます。
上下とも無地ながら希少な素材のため、再生産が不可能なアイテムです。 目敏いお客様に恵まれ、逆に仕事の喜びを教えていただいた次第です。
今後、未発表コーディネートも掲載する予定なので、引き続き ご期待ください。

ちなみに、《HAKAMA-SHIKI／袴式和服》は、[着物]ではないので、コーディネートも自由です。 古風にも アクティブにも。 リュックも無理なく背負え、且つ着姿の美しさが崩れないデザインに設計しています。