SUMMER COLLECTION “拾玖丿零玖”

褐の したたり合わせ

麻の荒々しいシワ感を 巧みに残した濃紺の袴をメインとしたコーディネート。
褐(かち)とは、濃い紺色を指す古い色名です。 また、目の粗い毛織物・粗服を表す言葉でもあります。 まさに、この袴を表現するにふさわしい言葉でしょう。
麻は、天然繊維の中で もっとも涼しい繊維とされながら、反面 縮みや めくれ、反り返りが起こりやすい素材。 しかし、この袴においては、麻の裏に 薄い木綿の芯を接結することで、力強いシワ感を維持させています。 接結とは、上下に重ねた別の織組織を互いに分離しないように、間隔を置いて 上下の経・緯を結合させた重ね織のことです。 この袴の男らしい麻の表情には、まるで武者修行帰りのような迫力が滲み出ています。
一方、ベージュにブルーやブラウンのストライプが上品な小袖は、細かい縞の地模様が丁寧に織られ、しなやかでシワになりにくいので、かしこまった場面にも使える清潔感を漂わせています。 さらりとした肌触りで軽く、汗をかく季節のケアには 嬉しい速乾性も。
大人しくて品の良い小袖を合わせることで、袴の迫力を際立たせたコーディネートながら、風合いや色目に 強弱のメリハリが効いて、バランスが良い組み合わせになっています。 ヘビーローテーションは、間違いないでしょう。