AUTUMN COLLECTION<拾漆丿拾伍>
紙子の長羽織
シックで渋目ながらも表情豊かで重厚なアイテムを揃えた《2017 AUTUMN COLLECTION》、ご好評をいただき 有り難い限りです。今回はコレクションの中から、最終調整のため 店頭でお見せ出来ていなかった《浮世しのぎ》レーベルの紙子の長羽織を ご紹介します。
《浮世しのぎ》とは、2016年に立ち上げた和紙の衣服である紙子(かみこ)を主軸としたレーベルです。 (詳細は当店サイトのプロダクトページを参照のこと)
親鸞や松尾芭蕉が愛用したことでも広く知られる紙子は、風流な印象が愛され 丈夫で軽いことから、古くから武将や俳人等に好まれてきた衣服です。仙台市の柳生地区に伝統として残っていた柳生強製紙(やなぎうきょうせいし)の製作方法に準じて 島田康子女史が制作する紙子の原紙から生まれる衣服が《浮世しのぎ》なのです。品質表示としては和紙ですが、その風合いは紙より樹皮に近く、丈夫で強いもので、現在では島田女史の他に製作できる方はいらっしゃいません。
原料である和紙ですら文化遺産となっている今では、更に特殊な手が加えられた紙子の原紙は博物館に収められるほど 希少で高価なものです。当店が、それを紙子に仕立てられる栄誉にあづかれるのも、島田女史の「現代の紙子が見たい」という熱い思いによるものなのです。紙子の原紙は、あまりに丈夫で強いので、使い込む事でしか味わいのある風合いにはなりません。紙子の制作は、実用着としての和服を製作してきた当店にこそ相応しい企画と言えるのです。
さて、今回の作品は 大袖の長羽織です。さらに前回よりバージョンアップして、島田女史に裏地用の原紙も依頼し、表は艶やかな黒、裏は鮮やかな赤の、和紙100%の〈紙子〉として 大変贅沢な仕上がりになっております。軽く暖か玖雨にも強いのは当然ながら、モビルスーツのような、迫力あるシルエットに仕上がっています。島田女史には「100年モノの羽織」と太鼓判をいただく希少な存在になりました。(この長羽織は、基本的に京都店のみでの販売にさせていただきます)
また、同時に袈裟懸けでコーディネートの印象を変え、バッグとしても便利な当店独自のアイテム【付処/FUTOKORO】も制作しました。当然、レアなアイテムで、機能的にも断然軽く頑丈で 水にも強いので、文句のつけようがなく、インパクトもヤバい!と高評価でしたが、すでに完売しました。
なお、羽織紐には 朱色の龍の彫り物をトップに据え、サイドに水牛の角を配した、オリエンタルな雰囲気の【かなめ玉(フック)】を 合わせています。
【《浮世しのぎ》長羽織(No.ウ-003)】
Material :和紙100%
Size :一一三(フリー)
Price :248000 + tax
Limited :1点
【《浮世しのぎ》付処(No.ク-003)】
Material :和紙100%
Price :30000 + tax
Limited :完売しました
【かなめ玉・フック(No.H-176)】
Material :水牛の角,樹脂,他
Price :7000 + tax