いつも『FOUR SEASONS ~滴や 装い拓き~』の【和次元・滴や】コレクションを ご覧いただき 誠にありがとうございます。
今回の春コレクションには、特殊な装飾技術の数々で、趣向を凝らしたアイテムで編成しました。どのアイテムにも、縫製以外に、装飾のために細工のひと手間を加えています。 それらの技法は、繊細な刺繍や印象的なレース使い、あるいは 挑戦的な染めや精密な織りの技術など、製品を形作る縫製の技術以外の、装飾のためだけの技を盛り込み、特別なアイテムとしてラインナップしました。 当店が培ってきた「技のコレクション」となっております。
【和次元・滴や】は、当店の活動を “伝統でも ファッションでもない” と周囲に説明してまいりました。サムライは、明治維新で滅びました。よって、巷の伝統とは サムライのそれではありません。 また、ファッションと捉えるには サムライは重過ぎます。つまり、サムライの観点で見れば、伝統は “思い込み” であり、ファッションは “にわか” なのです。
【和次元・滴や】は、「次世代型サムライスタイル」を標榜してきました。サムライは、卑怯を忌み嫌いました。 サムライの二本差しが、処断の太刀と 責任の脇差との 一対であったことからも分かるように、彼らは 行動とともに、責めを負うことが求められたのです。 責務を全うすることが、サムライの本質であり、孤高の生き方自体が、サムライなのです。
当店の製品は、すべてオリジナルアイテムです。特許取得しているアイテムも多く、製品・デザインが独自ならば、製造工程・職人も独自でなければなりません。何より、独自の体制であることで、ユーザーに対して、製品に対して、製造に関わる職人に対しても、全責任を取れるのです。 そして、16年の歳月を掛けた結果、現在では 縫製・装飾加工のすべてで、独自の体制を構築できました。サムライで在ろうと志すなら、責任転嫁、或いは その余地のある体制は、許されざる姿勢ですから。
一方 世界に目を向ければ、コロナ禍によってもたらされたアパレル・ファッション産業の危機的な惨状を、嘆く方々が見受けられます。しかし、当然の報いだろう…遅過ぎたくらいだろう…と、感じるのです。 現在、ウイグル人に対する人権弾圧をめぐり、世界中で中国共産党への非難が大きく叫ばれています。果たして、ただ漫然と中国共産党を非難する資格が、我々には在るのでしょうか? ウイグル地区では、ウイグル人の奴隷労働により “新疆綿” が生産されています。大手ファストファッションブランドは、この “新疆綿” を取り扱っています。ファストファッションだけではありません。 中国で生産される綿花のうち、実に90~95%は “新疆綿” で、実際には 中国で生産される衣服の大半に “新疆綿” が使われていると 言われています。そして、日本は 衣料品の約7割を中国生産に依存しています。 つまり、多くのアパレル企業で “新疆綿” を使った製品が作られ、ほとんどの日本人が それらを身に纏っているのです。 こういった現状は、綿という素材だけに限定されたことではないでしょう。恐らくは、他の素材の製造工程でも、素材から製品への縫製工程においても、他の様々な国や地域で 行われているに違いないのです。 要するに、我々日本人は 虐げられた人々の生き血を吸った衣服を身に纏い、自分たちが 華やかで快適な文化を安上がりに謳歌するため、スポンサーとして人権弾圧に加担してきたのです。 はっきりと申し上げるなら、我々こそが 中国共産党そのものなのです。現状況下において、中国共産党だけを被害者意識で非難する姿勢は、実行犯よりタチの悪い黒幕であると 心得なければいけません。
加害者に連なる我々が、最初にすべきことは “罪から足を洗うこと”、それ以外にありません。“罪滅ぼし” とは、罪人探しではなく、その文字の通り、罪そのものを滅することでしょう。 具体的には、製造者は 生き血を吸った衣服を作らぬように、消費者は それを身に纏わないように、いつも目を光らせなければなりません。
【和次元・滴や】としても、「次世代型サムライスタイル」を標榜している以上、このような卑劣で不義に満ちたアパレル産業の形態とは距離を置かなければなりません。 当店では、製造の過程で、関わる方々に不公平が降りかかることの無いように、全工程において “顔の見える” 製造工程を構築するため、毎年 試行錯誤を重ねてまいりました。 昨年は、ついに 縫製・装飾加工の全工程を、当店の理解者・育成した職人さんだけで賄える独自の製造工程が完成したのです。新人の育成にも力を入れています。 大手のブランドではないので、素材(つまり生地や糸)の完全な管理にまでは 未だ至っておりませんが、これまで通りに 誠実で 出所のはっきりしたファブリックメーカーの素材から厳選しつつ、今後は素材面でも完全に独自の工程を構築できるように取り組んでまいる所存です。
ユーザー・素材・製造工程・関わる人々・生み出される製品に至るまで、全ての面で 無理なく調和している事こそ、サムライの志しに貫かれた「次世代型サムライスタイル」ではないかと考えております。
ちなみに、今回のコレクションに並ぶ 本革の袴(FSPC21-03)は、毛の付いた生の表皮を なめして革にする段階から タンナーへ出向いて、全工程で【滴や】らしさを追求した力作です。縫製の後、ヒダ奥だけを染め分けた後染め工程も、同じタンナーで仕上げられています。 また、コレクション内の3つのアイテムに施された刺繍も、今回から導入された精巧な技術を駆使したモノです。細部を写したディティール画像にも、注視いただければ幸いです。 その他 すべてのアイテムに、高機能な織りや 印象的な染めといった最新技術に加えて、装飾加工・縫製上の細工などの精緻な手仕事の数々が、【滴や】らしく効果的に凝らされています。
この春コレクションで、潔さと精巧さが増した《Hakama-Shiki/袴式和服》を実体験していただければ嬉しい限りです。
和次元 滴や 装造師 宗裕
《価格改定のお知らせ》
’23年 4月 1日の価格改定により、一部 コレクション発表時の価格から価格改定された製品があります。現在の価格は、オンラインショップに記載の価格となります。
印象派の絵画のようなペイント柄を大胆に配した袴と、麻混素材の片身替え小袖との コーディネート。
構図の大胆さで目を引く袴だが、細密で複雑な色使いにより表現されたペイント柄で、いかにも春らしい。薄いイエローをベースにして、腰回りと裾付近の2段階の高さで、水面を描いた印象派の絵画のようにブルー系の色を水平方向に流した柄行きになっている。生地は、発色の良いポリエステル素材のグログランなので、適度なハリがあり、シワになりにくい特性を持っている。この風合いによって、ヒダが際立って、末広がりな美しいシルエットを形作ってくれるのだ。また、柄行きが大胆であれば ある程、仕立てには緻密な作業を要する。清々しい小川のような絵柄が、切り立った立体形状に礼儀正しく収まると、実に映える袴として仕上がってくれた。繊細な模様であるにも関わらず、洗濯可能な利便性も意外だろう。
一方、片身替えの小袖は、麻混の再生繊維の同素材を2色の顔料で染め分けて、仕立てている。左半身を淡いペパーミント、右半身を薄いベージュに配色した。顔料染めなので、着るごとに身体に馴染むことだろう。麻を混紡した素材も、さらりと涼しげで素朴な風合いだ。左右ともに淡く優しい色目ながら、中央でくっきりと色が分かれる後姿は、潔く男らしい。特許製品である小袖は、機能的で動きやすい・多様な着こなし・着付けが簡単・スタイリッシュな着姿と、4つの特徴を持つ。さらに、衿先や袖口などの隠れた装飾には 反対色を配して、脇には ちょうどズボンでもポケットがある辺りに隠しポケットも設けている。細部にまで 卒が無い仕立てだ。
インパクトのある色使いだが、全体的に柔らかな印象で毒がない。ナチュラルな風合いながら 形崩れしないので、スタイリッシュに着こなせるであろう。古典的にもモダンにも映り、和風にも洋風にも見える… どこか空想的なコーディネートである。
No. | : | IIA0944 |
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Material | : | ポリエステル 100% |
Size | : | 八九(35),九五(37),九九(39) |
Price | : | 49500 |
Limited | : | 3点 |
ONLINE SHOP |
No. | : | ROA0308 |
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Material | : | トリアセテート 75%, 麻 21%, ポリエステル 4% |
Size | : | 七三(L),七七(2L) |
Price | : | 44000 |
Limited | : | 2点 |
ONLINE SHOP |
片揚羽の刺繍を背紋としたスタンドカラーのローブ。無地部分は まだら模様の織地紋。
背紋の位置へ施された大きめの片揚羽模様は、今コレクションより導入した技術を駆使した精巧な刺繍だ。画像をよく見ていただければ、揚羽蝶の3枚の羽が、消炭・銀鼠・薄紫の3色で刺繍されていることが分かるかと思う。どれも日本の古典的な色目だが、ベースとなる生地の艶消し黒に映え、且つ 図柄が立体感を持つように配色してみた。また、ベースの表地も、落ち着きのある色合いだが、よく見ると まだら模様の織り紋様が広がっていて、表情に飽きが来ない。薄手でデリケートな表地に、多数回 繰り返し刺繍針が刺さるのにも関わらず、裏側からの補強と、表地のポリエステルの特性により、強度が保たれ 繊細な図柄を浮き上がらせてくれた。創業当時からデザイン修正を繰り返し、無駄を削ぎ落としてきた シンプルなスタンドカラーのローブには、殊の外よく映えている。ちなみに、シンプルなデザインのローブではあるが、サイドにポケットも忍ばせている。合わせ仕立てで 丈も長めだが、裏地も極軽量なので、とても軽い着心地だ。趣味の装いだけでなく、かなりフォーマルな場面でも活躍するに違いない。渋い黒の中を、古典的な揚羽蝶が舞う様は、日本的な趣を漂わせてくれるだろう。
前開きを留めるアクセサリーとして、虎目石のようにグラデーションの効いた合成樹脂製のビーズとバイヨンウッドのビーズとを組み合わせた【かなめ玉・クリップ】が、程よい調和を見せてくれた。
No. | : | NIA0183 |
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Material | : | 〈表〉ポリエステル 100% 〈裏〉ポリエステル 100% |
Size | : | 一二五(フリー) |
Price | : | 74800 |
Limited | : | 3点 |
ONLINE SHOP |
No. | : | RUA0204 |
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Material | : | ウッド,樹脂 他 |
Price | : | 7150 |
染めただけの特大サイズの一枚革そのままを、継ぎはぎせずに仕立てた袴。ヒダ奥・紐裏・内側は赤。
この本革袴の最大の特徴は、1枚の革を そのまま仕立てた野性味にある。一般の革製品のように、複数の革のパーツを継ぎはぎして 組み合わせる方法でも、袴の形に仕上げることは出来る。しかし、それは 静止した袴に整形した革であって、人間が着ることを想定すれば、布製の袴のようには 身体の動きに馴染まないし、美しさを維持できない。やはり、一枚革を使って仕立てたいのである。大半の方から “太いズボンだ” 程度に考えられている袴だが、袴1具(1着)に必要な生地の分量は、ズボンなら4本分以上、スーツなら上下が ゆうに作れるだろう。袴のヒダの奥に、それだけ生地が隠れているからこそ、迫力ある存在感が仕上がるのだ。大量の生地を要するところを 一枚革で作る訳だから、大きい方にも対応できる特大サイズの牛革が必要となる。しかも、皮革の素材は 生き物の皮なので、よく伸びる腹の部位は使えない。結局、小さい牛の皮では作れず、袴1着当たり 最大サイズの牛の革が 1.5頭分が必要であった。1頭の牛から、左右半身づつ2枚の皮が取れる。それが袴の左右の足となる。長い紐も3本必要だが、伸びる部位は使えないので、更に 半身分の背の部分だけの皮を要した。これらの原皮をなめし 革にして、一気に染めて 色を合わせる。ここで 漸く原材料が揃うのだ。
次に、仕立てについて説明したい。そもそも、革の袴は 普通の仕立てでは作れないのである。信長が穿いたと伝わる 博物館の革袴のことしか聞いたことがないが、これも 戦場用の乗馬ズボンに近い。革にはアイロンが効かず、ヒダを作れないので、当然である。布には可能でも、革には出来ない加工が多いのだ。つまり、独自の機能性を持つ【滴や】のデザインでなければ、袴として成立しないのである。 革の縫製には、必要な道具も 携わる職人も異なる。加えて、機能・耐久性・重量を考えると、パーツごとに革を漉いて、厚みも変えねばならない。裁断と漉きの工程を行き来せずには、縫製に入れないのだ。縫製工程でも、革を縫う職人さんは 袴を知らないので、当店との二人三脚となった。ここまでの説明で お分かりだろうが、この1着のために、なめしと染めのタンナーさん、革漉き、裁断、革の縫製…それぞれの職人さんと、たくさんの方々が 手間を掛けている。
最後に、色目について説明したい。ディティール画像にも写っているように、生き物の皮膚であった頃の野性味を消さないように、化粧をせずに、シワやムラを残した染めを施している。まず、赤く先染めをして、縫製の後、表全体を黒に近い焦げ茶色に、ヒダ奥は深紅に後染めを施した。荒々しさを感じさせる ワイルドな仕上げだ。歩くと紅いヒダ奥が覗く刺激的な仕掛けになった。また、紐裏や内側には先染めの赤が残っているので、紐を結ぶことや捻ることで見える赤や、断ち切りの裾の赤を見せて、着こなしにも遊びがあるのだ。
所々に浮かぶ深紅のムラやスレ、うねるようなヒダは、暴れる野性を強引に封じ込めたみたいな迫力がある。しかし、近づき難い雰囲気まで醸し出しそうな気品もある。この本革袴には、職人達の丁寧な技が 凝縮しているからだろう。
No. | : | IIB0002 |
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Material | : | 牛革 100% |
Size | : | 八九(35)~九九(39)の範囲で お仕立て |
Price | : | 528000 |
Limited | : | 1点 |
ONLINE SHOP |
No. | : | ROA0295 |
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Material | : | 〈表〉綿 60%, キュプラ 40% 〈衿〉ナイロン 100% |
Size | : | 七三(L) |
Price | : | 46200 |
Limited | : | 1点 |
ONLINE SHOP |
水平方向に走る透かしを、ボーダー柄とした漆黒の和慈羽袖。軽く ハリがあり、着姿に立体感を生む。
和慈羽袖は、多くの方々から どのような構造なのか?と不思議がられる。大きな羽の様な袖を持つプレーンな羽織の状態から、袖のボタンを外し 肩に回し掛けることで、美しいドレープと変幻自在な着こなしが楽しめる当店独自の特許製品である。この自由な着こなしに、生地のハリや、しなやかさとの相乗効果で、ゆったりとした膨らみが生まれ、躍動感も感じられる。平面的になりがちの和装には有り難いアイテムとなった。
この黒い羽袖は、ウール系の素材で、軽く シワになりにくい。精緻なウールの綾織部分とシースルー部分が交互に整然と重なるテキスタイルは、漆黒の中に黒のボーダーを描き出している。この等間隔の透かしから、内側のコーディネートを覗かせて、幻想的な雰囲気に。もちろん、透かしを活かして 裏地無しの単仕立てだが、脇には隠しポケットもある。軽量、且つ シワになりにくいので、出先で脱いでも邪魔にならない。 透け感による妖しげな演出は言うまでもなく、透かしボーダーの丁寧な織りによって、フォーマルシーンでもモダンな羽織り物として重宝されることだろう。
羽織紐として、透明感のある樹脂や水牛の角のビーズを繋いだ 〈かなめ玉〉フックが、モダンさを さらに引き立てている。
No. | : | HAA0066 |
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Material | : | 〈表〉毛 62%, ポリエステル 19%, レーヨン 11%, ナイロン 8% 〈肩裏〉ポリエステル 100% |
Size | : | 百(フリー) |
Price | : | 77000 |
Limited | : | 2点 |
ONLINE SHOP |
No. | : | ROB0008 |
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Material | : | 絹 100% |
Size | : | 七三(L),七七(2L) |
Price | : | 66000 |
Limited | : | 2点 |
ONLINE SHOP |
No. | : | RUB0007 |
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Material | : | 水牛の角,樹脂 他 |
Price | : | 7700 |
6箇所に矢羽根柄の刺繍を施した小袖と、ライトグレーのふくれ二重織の袴との 爽やかなコーディネート。
まさに “白羽の矢が立った” ような小袖には、6箇所・計12本もの矢羽根が、白や薄紫の糸で刺繍されている。左右の袖口の前後4箇所と左胸、右肩の後ろには背負うように…と、各所に2本ずつの矢羽根が刺繍されているのだ。射った矢が戻らない事から吉祥柄として愛されてきた矢羽の柄を、導入したての技術を駆使して、精巧に刺繍した贅沢な逸品だ。その丁寧な刺繍による古典的な色・柄が、銀鼠色の生地の上に 品良く映える様は、実に 雅やかである。しかも、滑らかな銀鼠色の生地は、シワになりにくくて、扱いやすい。 雅やかな見た目にもかかわらず、小袖は 機能性を追求した特許製品だ。着付けで補正も要らない。裾のカットやポケット、すっきりとしたシルエットも特徴。袖口や共衿先には、市松柄の織物で装飾を施し、贅沢ながらも 軽快な仕上がりとなっている。
ライトグレーの袴は、ふくれ織に近いテクスチャーで、細やかな凹凸は、無地ながらも退屈させない。先染め・二重組織の変わり織で、 見た目より軽い。しなやかで型崩れもせず、ヒダの陰影も 際立って美しい。落ち着いて 上品な色目は、幅広いコーディネートを約束してくれるはずだ。
刺繍の矢羽根といい、極々淡い色合わせといい、日本的な潔さを漂わせるコーディネートである。明治以降、黒紋付の羽織袴に書き換えられてしまった日本の式服だが、本来の日本の美意識から考えると、こういう色合わせの方が 正装には相応しいのではないかと感じている。
No. | : | IIA0946 |
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Material | : | 綿 95%, ポリウレタン 5% |
Size | : | 八九(35),九五(37) |
Price | : | 44000 |
Limited | : | 2点 |
ONLINE SHOP |
No. | : | ROA0310 |
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Material | : | ポリエステル 100% |
Size | : | 七〇(M),七三(L) |
Price | : | 71500 |
Limited | : | 3点 |
ONLINE SHOP |
インディゴ染めとボーダーとの、全く違う表裏を糸で接結して1枚にした生地から仕立てた風土ローブ。
《和服パーカー》というワードでも検索していただいている 風土ローブは、立体的なフードと風に遊ぶ大きな袖とが相まって、流れるようなシルエットが生み出される。 東洋的な優雅さと、底知れない迫力を同時に感じさせるようにと、デザインしたアイテムだ。
この風土ローブでは、インディゴ染めの無地と野趣のあるボーダーとを、表と裏として、糸で接結して1枚にした生地を使い仕立てた。仕立ての後には、2度の洗い加工を施し、刺し子のように 接結の糸目を響かせた風合いに仕上げ、ユーズド感を出した。綿の素朴な風合いを感じてもらいたいので、裏地の無い単仕立てだが、内側は全面ボーダーなので、スタイリングも楽しく、扱いやすい。前立て衿を開いた裏側や袖口を捲った内側、フードの内側など、所々にて 裏のボーダーを見せる着こなしには、工夫の凝らし甲斐がある。丈夫なので、和装・洋装に拘らず ヘビーユーズすることで、身体に馴染んで 迫力も増してくることだろう。
さらに野性味溢れるスタイリングのため、羽根をモチーフにした細工彫の水牛の角、グラデーションのビーズなどをあしらった 〈かなめ玉〉ネックをコーディネートしてみた。
No. | : | NIA0184 |
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Material | : | 綿 75%, アクリル 15%, ポリエステル 10% |
Size | : | 一二五(フリー) |
Price | : | 66000 |
Limited | : | 3点 |
ONLINE SHOP |
No. | : | IIA0948 |
---|---|---|
Material | : | 綿 100% |
Size | : | 八九(35),九五(37),九九(39) |
Price | : | 46200 |
Limited | : | 3点 |
ONLINE SHOP |
No. | : | ROB0003 |
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Material | : | 麻 100% |
Size | : | 七三(L) |
Price | : | 60500 |
Limited | : | 1点 |
ONLINE SHOP |
No. | : | RUC0002 |
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Material | : | 水牛の角,樹脂,メタル 他 |
Price | : | 11000 |
レースのラインを 肩から袖先への稜線に重ねた小袖と、ツィード調で形状記憶素材の袴とのコーディネート。
ネイビーの小袖は、ウェスタンシャツのヨーク(切り替え部分)のように、肩から背中にかけて、鉄紺のレースを 装飾目的の当て布として縫い付けている。さらに両袖にも、これと同じ按分の延長線上で、同じレース装飾を施した。この鉄紺のレースは、フォーマルウェアにも使われる肉厚感のあるケミカルレースなので、造作の細かい立体装飾となった。鉄紺レースのジグザグ模様が、左右の肩山から袖山にかけてのシルエットの上で、ライン状に浮き立つ様子は、意外にも男性的な印象が強く漂っている。ネイビーに鉄紺という配色に迫力があるだけでなく、ベースのネイビーは形状記憶素材でもある。ノンアイロンで扱いやすいのだ。それに加え、特許技術を盛り込んだ小袖なので、すっきりとしたシルエットに加え、裾のカットや 脇ポケット等の機能性、袖口・共衿先の細工と、随所へ こだわっている。
一方の袴も、ツィードのようなテクスチャーを持ちながら、実は形状記憶素材だ。素朴な見た目がらも、ハリがあって、ヒダの際立つ高機能素材なのである。ノンアイロンの手軽さと、着姿をビシッと決める美しさが共存している。高級感があり趣味人を満足させる逸品である。
レースとツィードという手法で、クラシカルを装いながら、上下ともに形状記憶素材なのである。例えるなら、最新のスペックを搭載したクラシックカーといったところか。気負うことなく 便利に着こなせる上に、男らしく技有りなコーディネートなのだ。
No. | : | IIA0945 |
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Material | : | ポリエステル 54%, 綿 33%, アクリル 11%, 麻 1%, レーヨン 1% |
Size | : | 八九(35),九五(37),九九(39) |
Price | : | 55000 |
ONLINE SHOP |
No. | : | ROA0309 |
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Material | : | ポリエステル 79%, 綿 21% |
Size | : | 七〇(M),七三(L) |
Price | : | 55000 |
Limited | : | 2点 |
ONLINE SHOP |
シルク・ウールに 少しメタルを混紡した、グレンチェックの陣パーカ。緩いシワ感はメタルによる。
技有りな《和服パーカー》には、いかにも手を突っ込みたいポケットと、立体的な形状のフードを持ち、前合わせの開閉などで、様々に着回せる陣パーカもある。ちょっと生意気な着こなしをさせても、きちんと感が出るのは、グレンチェックの上品さによるものだろう。上品なグレンチェックの表地は、合わせやすいモノトーンで便利。品質は、薄手のウールとシルクなのだが、少しのメタルを織り込んでいる。それらの組合わせの妙なのか、独特なシワ感があり、カジュアルに用いても個性的だ。上質なだけでなく、年寄り臭くさせないために、シックなチャイナボタンや 軽くて薄手の黒の裏地が、軽快さを引き出す役割を果たしている。見た目以上に軽く、通気性も優れているので、これからの季節の楽しみが増す。 きちんと感と軽快さが共存する万能な羽織りモノだ。
前開きの留める 〈かなめ玉〉クリップには、シルバーカラーのドイツ製ヴィンテージビーズとグラデーションのビーズを組み合わせて、モダンさに深みを加えた。
No. | : | NIB0010 |
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Material | : | 〈表〉毛 50%, 絹 45%, メタル 5% 〈裏〉ポリエステル 100% |
Size | : | 八五(フリー) |
Price | : | 52800 |
Limited | : | 2点 |
ONLINE SHOP |
No. | : | RUA0203 |
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Material | : | アクリル,樹脂 他 |
Price | : | 6600 |
刺繍にて 滴やの紋を五つ入れた紋付小袖と、モーニングの礼服用ズボンの生地で仕立てた袴とのコーディネート。
黒紋付の羽織袴とは、実のところ、モーニングを真似て置き換えられたものに過ぎない。明治初めの服制改革により、日本の礼服が 洋服のモーニングへと変えられしまったので、和装も それに倣ったのだ。明治維新でサムライは消滅した訳だから、論理的に解釈すれば、黒紋付が サムライとは無関係なことは明確だ。「次世代型サムライスタイル」の観点で見れば、明治以後の伝統は、ファッション産業に過ぎないので、いっそ 元々のオリジナルであるモーニングに近づけたブラックフォーマルを作ってみた。
という訳で、礼服のモーニングコートに合わせるコールズボン用の縦縞柄のウール生地を使用して、袴を仕立てたのだ。流石は礼装用の上質さである。糸の打ち込みも緻密な織物なので、通常のウールより 若干重さを感じるが、ヒダは際立ち、シルエットも美しく、仕上がりが素晴らしい。元々がズボン用の素材なので、丈夫で しなやか、シワも気にならないのだ。
一方、刺繍紋を入れた小袖には、五つの紋を入れている。背紋は、2つの紋を縫い合わせて1つにするので、実際は1着に6つの刺繍紋が必要。そして、刺繍の縫い合わせは、職人泣かせの加工でもある。刺繍には、今回から導入の技術を駆使し、精巧な逸品となった。
また、ベースとなった黒生地は、撚りを掛けない糸を使った綾織で、耐久性と防シワ性にも優れ、やわらかい風合いとナチュラルな表情、ドライタッチ、軽いなどのメリットがある。特許製品の小袖は、すっきりとしたシルエットやポケット等の機能性を追求している。その上、袖裏、共衿先、裾などには、かすれ柄の いぶし銀な裏地を添えた装飾を凝らしている。
最後に、この〈滴や版〉高性能・黒紋付コーディネート、気兼ねなく ガンガン着回せて、スタイリングも手軽に決まるので、ヘビーユーザー向きだと申し上げたい。
No. | : | IIA0947 |
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Material | : | 毛 100% |
Size | : | 八九(35),九五(37),九九(39) |
Price | : | 55000 |
ONLINE SHOP |
No. | : | ROA0311 |
---|---|---|
Material | : | ポリエステル 66%, 複合繊維(ポリエステル) 34% |
Size | : | 七〇(M),七三(L),七七(2L) |
Price | : | 71500 |
ONLINE SHOP |
ストライプ模様のメッシュを仕立てた風土ローブ。しなやかで軽く 出先での脱ぎ着も苦にならない。
ぬめっとした光沢で、パーティーシーンでも活躍してくれそうな黒い風土ローブは、合わせ仕立てだ。しかし、表のストライプ模様のメッシュと、裏の無地のメッシュとを合わせ、紗合わせ的な仕上がりとなっているので、通気性は抜群で、透け感も充分だ。内側の小袖の袖山などの稜線が透けて見える様子は、得も言われぬほど美しい。要するに、シースルー素材の2枚重ねなのだが、極めて軽量で、シワになりにくいので、脱いで畳んでしまっても邪魔になることもあるまい。透かしが美しいフードや袖奥、風を孕む裾や袖、折り返しにより印象が変化する前立てや袖口と、風や陰影を各所に感じさせる幻想的な《和服パーカー》なのである。
前開きを留めるアクセサリーとして、グリーンのグラデーションビーズと、シルバーカラーのドイツ製ヴィンテージビーズとを組み合わせた 〈かなめ玉〉クリップをコーディネート。妖しげな雰囲気に。
No. | : | NIA0185 |
---|---|---|
Material | : | 〈表〉ポリエステル 100% 〈裏〉ポリエステル 100% |
Size | : | 一二五(フリー) |
Price | : | 66000 |
Limited | : | 3点 |
ONLINE SHOP |
No. | : | RUA0203 |
---|---|---|
Material | : | アクリル,樹脂 他 |
Price | : | 6600 |