いつも『FOUR SEASONS ~滴や 装い拓き~』の【和次元・滴や】コレクションを ご覧いただき 誠にありがとうございます。 毎回のコレクションを ご覧の方は ご承知のことと思いますが、【和次元・滴や】が発信している《HAKAMA-SHIKI/袴式和服》は、「着物」ではありません。
《HAKAMA-SHIKI/袴式和服》とは、昔とは体型や生活習慣の異なる現代人向けに、侍の袴を基礎に独自開発した「新しい型式の和服」であり、それを中心に展開している全アイテムの総称です。
特許を取得した 機能性を高めて着崩れを防ぐ技術と、着姿を美しく見せる独特な形状により、煩わしい着付けも要らない「現代版サムライスタイル」なのです。
現代ではファッションとして、流行への追随という、産業的な側面ばかりが取り沙汰されますが、衣服は本来、地理気候、年齢性別、社会階層、職業、思想信条等を反映したものです。むしろ、衣服はステータスシンボルや地位を表すための一手段として用いられることで発展してきたと言えるでしょう。
和装においても、明確な身分制度があった江戸時代まで、武士による「袴」を基準とした(領国の統治に与る官吏としての)和服文化と、百姓・町人の着ていた長着を中心とした「着物」文化とは、厳格に分かれていました。 しかし、明治以降の急激な洋装化により、それまで受け継がれてきた様々な和服文化は打ち捨てられ、極端に偏った和服しか残りませんでした。
一般的な「袴」として引き合いに出される、黒紋付羽織袴の礼装ですら、文明開化(洋装化)を急ぐ明治政府が西洋のブラックフォーマルに倣って置き換えられたものであり、江戸時代まで続いてきた日本独自の服飾の流れは 断ち切られているのです。
何度も大きな戦乱にまみれた明治以降の百五十年とは対照的に、二百数十年もの間、戦乱のない平和な時代を築いたのが武士です。その武士・サムライたちの日常着でもあった「袴」には、彼らの美意識や思想信条、そして機能性が散りばめられていたに違いありません。
我々は、昔というと モノクロ写真のような光景を想像しがちです。しかし、昔も今も、世界は 鮮やかなカラーなのです。今では古びて見えるものも、当時は先端技術です。逆に、昔の方が斬新、鮮やか…なんてことすら珍しくありません。思い込みを捨て、サムライたちの誇り高い生き様と優雅な美意識に思いを馳せることで、失われた「袴」文化の本質を抽出し、それを体型も生活習慣も変わってしまった現代人の衣服へと移植していく試みが『FOUR SEASONS ~滴や 装い拓き~』コレクションであり、古き良き精神に見習い、現代に相応しい素材や技術も駆使して生まれるアイテムが《HAKAMA-SHIKI/袴式和服》なのです。
【和次元・滴や】は、日本で唯一の《HAKAMA-SHIKI/袴式和服》のブランドであり、従来の一般的な男性着物とは一線を画す「現代版サムライスタイル」を京都より発信してまいります。
和次元 滴や 装造師 宗裕
爬虫類的、もしくは エイリアン的とでも表現したくなるような、ヌメッとした皮膚を連想させるような光沢の怪しげな表情を持つ黒マントである。指でつまむと プニッとした弾力があり、およそ布地の感触には程遠い。 不思議な風合いの素材だが、要するにキルテイング構造の素材で、一般的なものと比べると厚みの少ないキルティングである。表地の光沢感と伸縮性を最大限に活かした上に、キルティングの糸目により、凹凸で爬虫類の角質の鱗のような不気味さをも漂わせる表情が作られているのだ。
素材の伸縮性と光沢が効いているのか、仕立て上げてみると衿のステッチや手を出すためのホール部分などの仕上がりが 特に美しい。怪しげな印象にもかかわらず、細部の仕上がりまで手を抜いていないのが目に見えて、男心をくすぐられる逸品である。 表のヌメッとした黒を引き立てるために、裏にはエンジ色の肌触りの良い裏地を合わせている。そして言うまでもないが 暖かい。
No. | : | HOA0144 |
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Material | : | 〈表〉ポリエステル 75%,レーヨン 22%,ポリウレタン 3%,〈裏〉キュプラ 100% |
Size | : | 一〇五(M) |
Price | : | 118800 |
Limited | : | 2点 |
総スパンコールなので 軽いとは言わないが、ご覧のように圧倒的な存在感を見せるマントである。誰にでも着こなせるほど生優しくはないが、着こなせた者には最強の鎧になることは間違いないであろう。
表面には、銀と黒のスパンコールで描かれた幾何学柄で埋め尽くされている。この銀と黒の対比と、マントのドレープで生まれる陰影によって、金属を編みこんだような力強さが演出されるのである。 総スパンコール素材の仕立ては、当然ながら困難であるが、存在感のある衿の細工や手を出すためのホールも健在で、仕立てには細部まで抜かりがない。インパクトがありすぎるほどの表地とのバランスから、シンプルだが 上質で艶やかな黒の裏地を採用している。
マントの大胆なシルエットと総スパンコールの迫力が掛け合わされれば、ゴージャスさでも他の追随を許すことはあるまいが、更に男性的な力強さをも上乗せしている本アイテムは、もはや無敵と呼べるのではないだろうか。 地味な和装に限らず、洋装においても女性の華やかさに押され気味の男性ファッションだが、動物界では本来 オスの方が派手なものである。我こそはという方にお召しいただき、人間のオスとしての手本となってもらいたいものである。
No. | : | HOA0150 |
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Material | : | 〈表〉ポリエステル 64%,レーヨン 33%,ポリウレタン 3%,〈裏〉キュプラ 100% |
Size | : | 一〇五(M) |
Price | : | 203500 |
Limited | : | 2点 |
【和慈羽袖/WAZI-HASODE】とは 当店が和服の世界観をさらに増幅させるべく設計した新型の羽織で、通常の羽織と比べると洒落でも機能でも格段に振り幅が広く、まったく別次元の羽織り物に仕上がっている。 プレーンな状態では、大きな羽の様な袖を持つ羽織の形状なのだが、ボタンを外して大きな袖を肩に掛けることで、様々な表情を見せてくれる。
大きな袖が左右に流れ、あるいは身体をゆったり包み込むことで、生地の素材感と相まって、平安貴族のような優雅さ、遊牧民のような異国情緒、修験者のような厳かさ……と演出される世界観の幅が広がり、まさに雰囲気自体を纏うアイテムとなっている。 ポケットも付くなど、細部にまで工夫された機能性と、変幻自在な着こなしが好評で、本年に特許を取得。名実ともに、【和次元・滴や】にしか存在しない羽織なのである。
この羽袖の素材は、総フリンジの起毛が みっしりと覆う、全面を毛羽立たせたカットジャカードである。起毛の下に覗くのは、ベージュ地に黒の四角が不規則に並んだ柄である。起毛素材は柔らかい印象を生むが、シルエットやヒダがボヤけがちだ。 しかし、この素材は軽くしなやかなので、柔らかさはそのままにドレープの美しさまで際立たせている。本アイテムは、肩などに袖布を掛けることも多いので、裏地には 多少摩擦力のある上質な黒い木綿の薄地を採用した。
代表画像は、下に着せた小袖も同素材で、羽袖とアンサンブルになり、いかにも和服然としたプレーンな羽織スタイルでの着こなしだが、袖布を回した着こなしの変化をディテール画像にてご覧いただき、楽しみ方の参考にしていただきたい。
羽織紐として、そろばん玉の形のメタルビーズとレトロな印象のゴールドのビーズを使った【かなめ玉(フック)】を合わせ、アクセントとした。
No. | : | HAA0037 |
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Material | : | 〈表〉ポリエステル 100%,〈裏〉綿 100% |
Size | : | 百(フリー) |
Price | : | 77000 |
Limited | : | 2点 |
No. | : | H-181 |
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Material | : | メタル,樹脂,他 |
Price | : | 7150 |
コートの着やすさとマントの迫力を併せ持つスグレモノである二重廻しのシルエットを、より印象的に見せるべく形状記憶素材のサテンを採用している。形状記憶効果によってフォルム(特に覆い布/羽根)は更に大胆に、サテンの光沢によって優雅さは一層増すのである。
裏地にも、濃いグレーの蛇革柄プリントを施した極薄の上質なナイロンを採用し、洋装にも合わせやすく、裏地を覗かせた時の悦びも満たしている。レトロで重厚な印象か先行する二重廻しだが、丈夫なナイロン素材を採用したことで、トレンチコートのような普段使いし易いアイテムへと変貌を遂げている。
それにしても、ナイロン素材の進化は著しい。ストッキングから水着やアウトドアウェア等々 幅広く使われ、ゴアテックスやバリスティックもナイロン製である。もはや人類には不可欠な素材と言えよう。
No. | : | HOB0135 |
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Material | : | ナイロン 100% |
Size | : | 一二五(フリー) |
Price | : | 74800 |
黒い小袖はエクセーヌ(東レが開発したスウェード調の人工皮革)製で、レーザーカットにより無数の精密なスクエアが均等に切り抜かれている。そのスクエアの穴から、和地袢のペパーミントグリーンを覗かせている。身体の動きとともに、そのドット柄も動くことが、着る楽しさの要因の1つとなるであろう。
スウェードのマットな黒には、男性好みな重厚さがあるが、全面を覆うと少し野暮ったさが出るので、この切り抜きによる透かしが絶妙なアクセントとして洒落が効いてくるのだ。無数の穴の丁寧さはレーザーカット技術でこそ可能であり、また穴だらけの素材を仕立てる職人の手間も多い。 シンプルに見えて、手間もコストも惜しんでいない逸品なのである。袖口や裾には穴のない同色エクセーヌで、掛衿の先には光沢のあるフェイクレザーで装飾している。
一方、グレー/黒のゼブラ柄の袴は、光沢ある黒い箔糸で織り上げられている。柄の黒にだけ うっすらと光沢があるウール×ナイロンのしなやかなイタリア製の生地で、品の良いバランスで遊びがあるのだ。昔、好評だった袴を、今回はデザインを変え復刻した。 ハードな見た目ながら上質で、シワになりにくい便利さをも兼ね備え、且つ 暖かい。これまた 申し分のない袴なのである。
最後に、小袖の衿元やスクエアの切り抜きから覗くペパーミントグリーンのインナーが、和地袢である。和地袢は衿と身頃が同素材なので、半衿を付ける必要もない。さらりとした平織りの木綿で、袖口からもチラリと見えるのだ。男らしく、胸元をゆったりと着てもらいたい。
No. | : | IIA0878 |
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Material | : | 毛 60%,ナイロン 40% |
Size | : | 八九(35),九二(36),九五(37),九九(39) |
Price | : | 49500 |
No. | : | ROA0246 |
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Material | : | ポリエステル 100% |
Size | : | 七〇(M),七三(L) |
Price | : | 49500 |
Limited | : | 3点 |
No. | : | TOA0110 |
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Material | : | 綿 100% |
Size | : | 七二(L) |
Price | : | 14300 |
Limited | : | 1点 |
立体的に矢羽根縞が浮き立つのは、濃紺・小袖の素材が ふくれジャカードであるからだ。こういう視野に迫ってくるほどリアルな柄の迫力は、染め(プリント)には出せない魅力である。 いかにも和風な矢羽根縞をモチーフにしているにもかかわらず、和風の域を超越したシャープな印象を描き出させるのは、素材の立体感と【 したたり 】小袖自体のすっきりとしたシルエットによるものだろう。
【 したたり 】小袖は、着姿を美しく見せる独特な形状として、特許を取得しているアイテムだ。着崩れを防ぐために腹部にタオルを入れたり、着付けにコツを要する「着物」に対して、小袖は 体型の補正や煩わしい着付けを必要としない。 《HAKAMA-SHIKI/袴式和服》を構成する重要なアイテムの1つなのである。
この小袖は、袖裏のついた袷仕立てで、袖口からは薄い綿の裏地のフキが見える。特徴的な裾のラインには共布のパイピング、掛衿の先には光沢ある別布で装飾してあり、小袖のこだわりの仕立てが随所に凝らされている。 すっきりしたシルエット、素材の光沢と立体感により、清潔感漂う上品な小袖に仕上がっている。
次に、濃紺の袴について。若干 明るく見えるのは、表面をアクリルコーティングした光沢感のあるチノ素材だからである。表面コーティングが、ステッチや微妙なシワを独特の男くさい表情に変えてくれる。 ベースがチノなので、しなやかで扱いやすいが、見た目には力強さが漲っており、コーティングに僅かに含まれたラメの洒落も効いているのだ。このコーディネートでは脇役に徹しているが、滲み出る印象は隠せず、主役も張れる名脇役な袴と言えるだろう。
No. | : | IIA0879 |
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Material | : | 綿 95%,ポリウレタン 5% |
Size | : | 八九(35),九五(37),九九(39) |
Price | : | 44000 |
Limited | : | 3点 |
No. | : | ROA0249 |
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Material | : | 〈表〉ポリエステル 82%,綿 18%,〈裏〉綿 100% |
Size | : | 七〇(M),七三(L),七七(2L) |
Price | : | 46200 |
このシックな二重廻しが、今回のコレクションで最も上質な素材を使ったアイテムと言えるだろう。黒は洒落者に好まれる色だが、トンビコートや二重廻しに限って言えば、黒を敬遠する方が多い。古着に見えて仕様がない…ことが、その理由だ。 当店でも、黒無地・二重廻しの製作を忌避してきたが、この黒無地はレベルが違う。イタリア(ビエラ)の名門カルロ・バルベラ社製の日本では希少な生地で仕立てているのだ。
「天然で採取できる一番細くて長い素材だけを使用し、最高級の生地を生産する」をモットーに、「織る前に 最上級の糸を地下倉庫で1年程 寝かす」という途方もない手間を掛け 誠実に生地を作るイタリアの最高峰の織元だ。 そういうこだわりを男は嫌いじゃないが 、この際 蘊蓄はどうでもいい。とにかく、高級感、色気、やわらかさに、しなやかな復元力も兼ね備えた素晴らしい生地なのだ。
表地が表地だけに、裏地やボタンも厳選した。特に裏地はコーディネートのしやすさを考慮して、覆い布/羽根の裏にはコゲ茶色のパイプ柄の紋織、身頃裏には黒の無地と、異なる裏地で仕立てている。 ひたすら艶やかな黒の無地なのだが、二重廻しに仕立て上がると気品ある光沢、細密に織られた心地よい手触りと軽さ、長く愛用できる上質さと落ち着いた洒落があり、下手な着物やスーツでは釣り合いそうにない。着る者を、何段階も引き上げてくれそうな二重廻しコートなのである。
No. | : | HOB0139 |
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Material | : | 〈表〉毛 100%,〈裏〉キュプラ 100% |
Size | : | 一二五(フリー) |
Price | : | 143000 |
Limited | : | 2点 |
濃い青と濃い緑が混ざった色なので、便宜上 青緑としたが、一番近い色は、和名であれば熨斗目花色、英名であればピーコックブルーだろう。複雑だが、男らしさも華やかさもあり、実に魅惑的な色目のマントである。
生地は、ラペット織という平織りに刺繍のように幾何学模様を織り出したものである。エキゾチックな表情で、風合いは柔らかく、暖かい。そして 見た目のボリュームの割に軽い。明るめのグレーの裏地、グレーのボタンを合わせ、カジュアルさときちんと感のバランスも良いので、たくさんの場面で着てもらえるに違いない。 ピーコックブルーといい、迫力あるシルエットといい、メスの目を引くこと間違いなしのオス仕様のマントと呼べるのではないだろうか。
No. | : | HOA0148 |
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Material | : | 〈表〉毛 84%,ポリエステル 12%,アクリル 2%,レーヨン 1%,ナイロン 1%,〈裏〉キュプラ 100% |
Size | : | 一〇五(M) |
Price | : | 99000 |
Limited | : | 2点 |
派手さと渋さのバランスが良い伊達な二重廻しである。和服用の外套には匂い立つほどの雰囲気があり、男のロマンを掻き立てられるが、それは生地をふんだんに使い迫力あるシルエットを作り出すことによるものだろう。 効率化と画一化で一切の無駄を省いて生まれた現在のコートには見ることの出来ない贅沢さがあるのだ。しかし、外套は贅沢に生地を使う分だけ重量は重く、古着、昔の二重廻しなど、その際たるものである。
当店では二重廻しの贅沢さを削ぐことなく軽量化を進めてきたが、中でも この二重廻しは 特に軽い。黒と白の糸に ラメ糸も織り込んだ変わり格子織で、見た目には立体感すら感じさせるボリュームがあるにもかかわらず、とても軽い着心地なのである。
ちなみに、ラメのゴージャスな洒落と無彩色の格子柄の渋さのどちらも引き立てるべく、黒無地の裏地を採用した袷仕立てであり、二重廻しゆえに背中には表地と裏地が2枚ずつ、4枚の生地が重なるので防寒に心配は全くない。 渋ハデで雰囲気たっぷりの上に、軽く仕上がっており、使いやすさ抜群の二重廻しなのだ。
No. | : | HOB0141 |
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Material | : | 〈表〉ポリエステル 38%,レーヨン 27%,ナイロン 22%,トリアセテート 7%,ラメ 6%,〈裏〉キュプラ 100% |
Size | : | 一二五(フリー) |
Price | : | 74800 |
Limited | : | 3点 |
毛糸のような太めの糸で編まれている、見た目にも温かな風合いの和慈羽袖。ベースの黒糸の間に、ターコイズや紫などの糸が渦巻き状に膨らむカラフルな突起を、均等に編み込んでいる不思議な素材だ。 カラフルな突起が一面に広がる有り様が、ビー玉を散らばしたようなので、ビー玉・ニットと名付けてみた。この温かな風合いは、変幻自在な着こなしが楽しめる和慈羽袖の特徴と相まって、見るからに冬の装いに相応しい。 大判のショールを首や肩に回した柔らかな印象そのままで、優しさや懐かしさまで感じさせるスタイルではないか。
表地は とても柔らかな素材だが、親和性の良い綿の黒い裏地を合わせ、ポケットやボタンが付いた仕立ては そのままに、機能性を維持している。 カジュアルな場面でのアウターとして、素朴な風合いの和服に合わせる羽織として、大活躍してくれるに違いない。
No. | : | HAA0038 |
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Material | : | 〈表〉毛 50%,アクリル 50%,〈裏〉綿 100% |
Size | : | 百(フリー) |
Price | : | 77000 |
Limited | : | 2点 |
総フリンジの小袖は、今コレクション・拾漆丿零参(FSWC17-03)で紹介した羽袖とのアンサンブルである。全面を毛羽立たせたカットジャカードで、起毛の下にはベージュ地に黒の四角が不規則に並んだ柄が覗く。 しなやかで軽いので、起毛素材の柔らかな印象はそのままに、ドレープの美しさが際立つのだ。袖裏のついた袷仕立てで、袖口からは黒い綿の裏地のフキを覗かせ、裾、掛衿の先の装飾にも抜かりなく、ポケットも付いている。
そして袴は、顔料染めのスウェード調の生地を仕立てた。ベース(つまり裏側)の色は濃紺で、表面に黒の顔料染めが厚く施されている。これを使い込むと顔料が落ちて、紐やヒダ、膝や脇の部分から、スレやアタリが出てくる。 少し毛羽が立ち、ユーズド感の溢れるスウェードのような風合いへと、段々と育っていくのだ。使えば使うほど、味わいと迫力の増す男くさい袴なのである。
No. | : | IIA0881 |
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Material | : | ポリエステル 100% |
Size | : | 八九(35),九二(36),九五(37),九九(39) |
Price | : | 49500 |
No. | : | ROA0248 |
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Material | : | 〈表〉ポリエステル 100%,〈裏〉綿 100% |
Size | : | 七〇(M),七三(L) |
Price | : | 49500 |
このキャメル系に配色されたコーディネートにおいて、小袖は 今コレクション・拾漆丿零伍(FSWC17-05)の配色違いで、一面に細密なスクエアの穴をレーザーカットしたキャメルのエクセーヌだ。 そのスクエアの穴からは、和地袢の山吹色が覗き、それが身体の動きとともに動くドット柄となることも、印象的な洒落を演出してくれるのだ。穴だらけゆえ、通常の小袖より手間を掛け、袖口や裾には穴のない同色エクセーヌで、掛衿の先にはフェイクレザーで装飾している。
次に、顔料ペイントで大胆なアーガイル柄を描いた袴は、ブラウン系の配色が小袖とも抜群な相性で、ウェスタンな雰囲気が滲み出ている。 よく見れば、アーガイルもパッチワーク風に表現され、ユーモラスである。こちらも顔料染めなので、使い込むことで 紐やヒダ、膝や脇の部分からスレやアタリが出て、味わいも増してくることだろう。
最後に、小袖の衿元やスクエアの切り抜きから覗く山吹色の和地袢は、2ヶ所についている紐を結ぶだけで着られるアンダーウェアだ。衿の合わせがずれにくい仕様で、当然 半衿を付ける必要もない。素材はフシの入った素朴な風合いの綿で、洗濯可能なので便利。胸元に鮮やかな山吹色の洒落が嬉しい。
No. | : | IIA0880 |
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Material | : | ポリエステル 100% |
Size | : | 九五(37),九九(39) |
Price | : | 49500 |
Limited | : | 2点 |
No. | : | ROA0247 |
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Material | : | ポリエステル 100% |
Size | : | 七三(L),七七(2L) |
Price | : | 49500 |
Limited | : | 2点 |
No. | : | TOA0111 |
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Material | : | 綿 100% |
Size | : | 七二(L) |
Price | : | 14300 |
Limited | : | 1点 |
ヌメッとした爬虫類の皮膚を連想させるような光沢の怪しげな表情を持つマントで、今コレクション・拾漆丿零壱(FSWC17-01)の配色違いのグレーである。 ブラックに比べ、男のツヤを抑えて、不気味さが増したような迫力たっぷりのマントである。摘むとプニッとした弾力があり、視覚的にも触感的にも不思議な風合いのキルテイング構造の素材である。光沢と伸縮性、キルティングの糸目による凹凸で、爬虫類の角質の鱗のような表情が作られるのだ。
表地の不気味さをより引き出す目立たないグレーのボタンと、艶やかな黒の裏地を合わせることで、コーディネートに広い幅を持たせている。怪しげな見た目に反して、衿のステッチや手を出すためのホールなど細部の仕上がりが美しく、堪らなく男心をくすぐられるマントなのだ。
No. | : | HOA0146 |
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Material | : | 〈表〉ポリエステル 75%,レーヨン 22%,ポリウレタン 3%,〈裏〉キュプラ 100% |
Size | : | 一〇五(M) |
Price | : | 118800 |
Limited | : | 2点 |
レトロで重厚な雰囲気漂うシルエットを、より印象的に見せるべく形状記憶素材のサテンで仕立てた二重廻しで、今コレクション・拾漆丿零肆(FSWC17-04)の配色違いの濃紺である。 風で裏が覗けた時にも抜かりがないように、コゲ茶色のイタリア風なローマ字柄の紋織裏地を合わせて、洋装にも合わせやすいコートに仕上がっている。
形状記憶効果により 覆い布/羽根などのフォルムが更に大胆に、サテンの光沢により 優雅さが一層増した上に、丈夫なナイロン素材を採用したことで、より普段使いし易いアイテムへと変貌を遂げたのである。 風や光までも味方につけたような美しさを漂わせ、着やすさをも追及したスグレモノの二重廻しなのである。
No. | : | HOB0130 |
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Material | : | 〈表〉ナイロン 100%,〈裏〉キュプラ 100% |
Size | : | 一二五(フリー) |
Price | : | 74800 |