Opus.6

6作品目は、初登場アイテム【和慈羽袖／WAZI-HASODE】である。10周年を機に 和次元 滴やの世界をさらに増幅させべく設計した新型の羽織である。新型の羽織と言っても、羽織と比べると洒落でも機能でも格段に振り幅が広く、もはや別次元の羽織りモノとなった。プレーンな状態では、大きな羽の様な袖を持つ羽織であるが、この大きな羽袖のボタンを外し、肩に掛けることで、様々な表情を見せてくれるアイテムである。ポケットも付くなど、使いやすく工夫されている。

着こなしのパターンは、シンプルに羽織として、次に羽袖をショールのように逆側の肩（首）に回すことでマント風に（この場合でも右袖を左肩へ、左袖を右肩へ、両袖を交差…と様々）、さらに羽袖をまくり袖無し羽織のように（この場合は右袖は右肩、左袖は左肩へ）と多彩だ。大きな袖が左右に流れ、あるいは身体をゆったり包み込むことで、生地の素材感と相まって、平安貴族のような優雅さ、遊牧民のような異国情緒、修験者のような厳かさ…と演出するスタイリングの幅が広い。

今回は10周年企画用のドレッシーな特別素材でのショーモデルだが、滴やの独創的なスタイリングに欠かせないので、今後は素朴な風合いの素材も使い定番化していく楽しみなアイテムである。

さて、最初の和慈羽袖は、5作目の夜会コーディネート.2【美しき獲物たち】の小袖とのアンサンブルになっている。無数の糸を毛羽立たせた独創的な存在感がある真っ白な総フリンジは、大きな羽のような袖をまとう分、より一層ゴージャスである。糸を飛び出させた織りはしっかりと密でありながら、しなやかで見た目通りの柔らかな風合いだ。どんなシチュエーションでも、間違いなく周囲の目を引きつけてしまう力強さがあるが、純白ゆえに嫌みが無く品が良い。

様々な雰囲気のスタイリングを可能にする形状の和慈羽袖だが、これを完成させるための設計、素材選び、職人泣かせな仕立てと、完成までにおよそ1年を費やした。

【和慈羽袖】

Material	：	表-ポリエステル 100%、裏-キュプラ 100%
Size	：	フリーサイズ
Price	：	130,000円＋税

次の和慈羽袖も、夜会コーディネート.4【ネバーセイ・ネバーアゲイン】の袴と同素材で仕立てている。イタリアの織元メーカー〈CANONICO カノニコ〉製のウール細番手・スーパー120'Sクラスの良質糸で織られている高級生地を仕立てた。しかもブルーのギンガムチェック×グレー無地のリバーシブルの珍しい生地なので、羽袖をショールのように肩（首）に回したときに見える裏側の洒落が効いてくる。風合いは、しなやかで暖かく、肌触りが抜群に良い。控えめだが上質な素材は、コーディネートの幅を広げ、シルエットをキレイに仕上げている。

様々な雰囲気のスタイリングが出来る遊び心ある和慈羽袖でありながら、大人の品の良さが際立っている。和服の上にまとう衣類として基本設計されているが、独創的なフォルムの上着に仕上がっているので、洋服の上にまとってみるのも楽しいだろう。

【和慈羽袖】

Material	：	表-毛 100%、裏-キュプラ 100%
Size	：	フリーサイズ
Price	：	110,000円＋税