「和次元 滴や」は 2015年春、十周年を迎えました。 これもひとえに皆様のご贔屓、ご支援の賜物と感謝申し奉ります。

現代の和装を取り巻く環境、なかでも男性の和服の機能性と多様性に限界を感じて、以前より構想を膨らませていた【日本の男の服】の開発を進め、発信していくために京都御所の南に「和次元 滴や」を立ち上げて以来、十年が経ちました。
その間、着崩れない工夫を施して特許を取得した「袴」をはじめ、着用時の機能性と着た時の美しさを追求して設計した、したたり小袖(袴下の着物)、マントや二重廻し(外套)、風土ローブ(パーカ)、和地帷子(じゅばん)、足袋、下駄、ハオリヒモ・アクセサリー、付処(バッグ) などの独自のアイテムが数多く誕生しました。
ひたすら新しい男の和服の開発を主軸に、ブレない様に運営してきたつもりです。
伝統を残すためでも、もちろん売上・売名のためでも、そして世に和装を広めるためでもありません。
3世代以上捨て置かれ、遺跡の様に進化を止めた着物から、日本独特のエッセンスを抽出し、現代に適応した機能性と日本の装いの美しさを追求して再編成した実用和服を開発するためです。
美術品としての着物の制作者側の技ではなく、実際に今、着ようとするユーザーのためにあるべき技を盛り込んで、衣服として着るための和服を取り戻すために、開発し続けていくためです。

おかげさまで、少数ながらも心強いユーザーに囲まれ、この十年は脇目も振らず開発を続けて来られました。
三年前には、鴨川のほとりの清浄な空間に店舗を移し、よりモノ作りに専念する環境も調いました。
このたび十周年の御礼として、モノ作りを通した当店らしい特別企画を練りました。
つきましては、1年をかけて、十周年限定の特別な10作品を制作してまいります。
この10作品は、今まで暖めてきた構想を実現した限定生産品です。予想外な素材やレアな素材を使用したモノ、固定概念を打ち破るアイテム、新しい視点からデザインした新商品などが順次登場していく予定です。
この「和次元 滴や」十周年限定10作品ページにて発表し、 動静は新たに開設しました「滴やFacebookページ」にてお知らせいたします。お楽しみいただければ嬉しい限りです。

次の15周年、20周年に向け、より一層 着るための和服作りに邁進して参ります。
今後とも、宜しくお願い申し上げます。

2015年吉日 和次元 滴や 宗裕